あの子の恋人
恋心

わたしとあの子




私は毎朝、朝の鐘が鳴る直前に教室に駆け込む。




「あ、悠里、おはようっ」



「おはよ、くるみ朝から慌ただしいね」




悠里は部活の朝練で、ちょっと汗をかいていた。




「朝練?」


知ってるのに聞く。




「うん。最近暑くなってきたから、体育館こもるんだよねー」



「もうすぐ夏だもんねぇ」


「え、結構まだじゃない?」


悠里が爽やかに笑う。



こーやって笑い合うだけで、梅雨の蒸し暑さとは別に、頬が熱くなるんだ。




相手が女の子だって
最初からわかってる。




それでも
想いは消えはしないの。
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