アイオライト-愛をみつめ、育む-
次の日も、新川は部活をやすんだ。
その次の日も。
それを繰り返して、もう一週間。
新川が部活に来てないと聞くたび
私の心は痛みを増す。
この痛みはなに?
私は新川に・・『恋』してるの?
「心配なんでしょ、李麻。」
休み時間の教室で
真希はいつになく真剣な表情で言った。
「何年あんたと一緒にいると思ってんの?
李麻が悩んでる・・それくらいわかるよ?
李麻が今まであたしが悩んでるのに
気付いてくれたみたいに」
真希が先輩にフラれた時。
元彼を忘れられなくて悩んでる時。
真希が悩んでる時はすぐわかった。
「親友の勘って当るんだ」って
自分自身が一番身にしみて感じていたことだ。
でも私はいつも『気付かれる側』じゃなく
『気付く側』だったから
不思議な感覚。
「新川君の事、心配なんでしょ?」
私は無意識に頷いていた。
そうだ。やっぱり心配なんだ。新川のこと。
「じゃあ今日の放課後、迎えにいってあげなよ?」
私はまた静かに頷いた。
放課後までの時間
私は不安でいっぱいだった。
だって、本当に具合が悪くて休んでるだけだったら
私の勝手な勘違いだったら・・。
そんな事を考えているうちに
放課後になってしまった。
こういう時に限って
すごく早く感じるのは
私の鼓動が早いからなのだろうか?
そんな事を思いながら
一年生の昇降口で新川をさがす。
すると、少しして
見慣れた新川の姿が現れる。
私は不安ながらも
新川に近づく。
「ひ・・久しぶり、新川。」
すると、
新川はとても驚いた顔で私をみた。
そして、
「お久しぶりですっ・・。有岡先輩っ」