アイオライト-愛をみつめ、育む-

練習中、
私は新川と始めて会話らしい会話をした。

たあいもない、
クラスとか先生とか勉強の話だけど
何故か今まで男の人と話した中で

『一番たのしい』

そう思った。

そして皆が帰った後も
練習を続け、気付けばもう真っ暗になっていた。

急いで片づけを済ませる。

ボールを拾うのは新川で
運ぶのはもちろん私。

やっぱり鈍くさい新川には
任せらんない。

でも・・


「送りますよ、先輩」


そういった新川は
なんだか頼もしかったから
私は送ってもらうことにしたんだ。



帰り道でもたくさん話をして
家に着くのはあっという間だった。

あと10m・・9m・・・

家までの距離が短くなる。

いつもなら嬉しいはずなのに
今日はすごく惜しい気がする。

そのとき


「やっぱり僕とは付き合えませんか?」


新川が言った。


その時、私の心は、

この前と違い

何故かすごくドキドキした。

そして何故かあったかかった。


でもやっぱりまだわかんない。

ただ、確かにわかるのは

『新川となら恋してもいいかも』

そう思う自分がいること。


だけど・・・


「アドレス交換くらいなら・・してもいいよ?」


今日もまだ、返事は『NO』

だってまだ、自分のこの気持ちがよくわかんないから。

それに・・・

もう少し、

この、恋に似た感情を育てるのも悪くない。

そう思ったから。


-おわり-
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