夜光虫
あたしは右手の薬指に指輪をはめた。


また誰かとペアリングが出来る日が来るなんて。


「陽菜が大学を卒業したら同棲しよう」


と果歩が言ってくれた時は涙が出るほど嬉しかった。


あたし達は様々な問題を抱えている。


それでも果歩と二人だったら乗り越えていける気がした。


果歩もそう思ってくれるかな。


そう思ってもらえるようにあたしも強くならなきゃと思った。


果歩は何から何まで理想の恋人だった。


安定した仕事に就き、カッコ良くて優しい彼女。


あたしは保育士になって果歩と一緒に暮らすことをとても楽しみにしていた。


そう、あの時まではー。
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