【短編】或るOLの憂鬱~セクシャルハラスメント

◇◆◇


あの時。


主任に呼び出されたわたしは、時間外に書庫へ出向いた。


地下にある書庫は薄暗くひんやりとしていて、あまり気分のいい場所ではない。


書庫の鉄の扉を開けると、主任が腕まくりをして何かを探していた。


「ああ、片桐さん、すまないね。残業させてしまって」


主任は、申し訳なさそうな顔をわたしに向けた。


「いえ」


わたしが軽く微笑むと、


「これの平成17年版を探してほしいんだ」


と、わたしに書類を見せた。


「処分はしていないと思うんだけどなぁ」


と呟きながら、主任は綴りをチェックしている。

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