†穢れなき小鳥の殺し方†


乱れたスカートを直そうとする細い指。

俺は和香の手首を掴んでシーツに縫い付けた。


彼女の細い身体の上に跨って。


「――い」

「いや?」


叫ぼうとする彼女の台詞を先回りすると、小さな唇は言葉を紡ぐことをやめた。

俺は自分の口の端を吊り上げて笑った。


「お前に拒否権は無い。

 言ったよな?」


大きく開かれていく瞳。

色素の薄いそれは夕日を浴びてオレンジに染まる。

俺を映していた和香の瞳は、ゆっくりと俺を追い出して夕日だけを映し出す。

そして、俺がつかんでいた手から力が抜けてシーツに落ちた。


それが合図。



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