†穢れなき小鳥の殺し方†


軽い電子音が響いてエレベーターのドアが開いた。


「なぁ?」

「――っ!」


俺の声に驚いたのか、微かに靴が擦れる音が聞こえた。

振り返ると怯えたような瞳が俺を映していた。


「働いて金稼ぐか?」

「えっ?」

「稼ぎ方、知らないんだろう?」

「・・・・・・」

「仕事、やるよ」


俺の瞳は『哀れみ』に満ちているだろうか?


あの時のこいつのように――。


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