†穢れなき小鳥の殺し方†
「そんなに待てねぇよ」
「あっ」
細い指は簡単に振りほどける。
「用ってそんだけ?」
「・・・・・・」
俺に振りほどかれた手をギュッと握って俯く彼女。
だから、
「そんじゃ、俺、『仕事』だから」
ワザと『仕事』って言葉を強調してエレベーターのボタンを押した。
彼女は俺の後ろで何も言えず、動くこともできず凍ったまま。
可哀想に。
何も出来ないって言うのは辛いよな?
分かるよ――。
その辛さから、
助けてやろうか?
そんな考えに、つい口の端が上がってしまう。