†穢れなき小鳥の殺し方†


「なに?」

「何を、すれば・・・・・・」


消え入るような小さな声。

まぁ、確かにずっと突っ立ってられても面白くないからな。


「とりえあえず、コーヒーでも入れて」

「えっ?」


俺の注文に彼女は髪を大きく揺らして顔を上げた。


「来いよ」


そう言って立ち上がると彼女は戸惑いながらも俺の後ろについてきた。


「水は冷蔵庫の中、コーヒーはここ。あぁ、俺ブラックでいいから」

「・・・・・・」

「聞いてんの?」

「あ、はいっ」


彼女は慌てて俺の声に答えると、やかんに手を伸ばした。

真っ白で細い指。

すこし強く握ったら簡単に折れてしまうだろう。

何もしたことのない、綺麗な手だった。

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