†穢れなき小鳥の殺し方†

「あの・・・・・・」

「なに?」

「カップはどれを?」

「そこにあるヤツ、どれでもいいから」


そう答えると「はぁ」と気の抜けた台詞。

俺は返ってくるメールに目を通して――、


「あの」

「ん?」

「冷蔵庫のって、このお水でいいんですか?」


彼女が手にしたのはミネラルウォーターのペットボトル。


「・・・・・・他にあんのか?」

「い、いえ、封の空いたペットボトルが2本あるので」

「どっちでもいい」


携帯を操作して、


「あの――」

「なんだよっ!?」


こっちは『仕事』してるって言うのに鬱陶しい!!


「い、いえ、何でもないですっ」


やっと水を沸かし始めた。

ったく、コーヒーくらいさっさと入れろ!
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