俺様王子の初恋
悲しくもないのに、
目の前は涙で歪みだして
おかしいな、って何度も
袖で拭うのに止まらない。
「 ・・・・葵 」
「 ッ・・う、・・ふぇ 」
ポン、と彼の大きな手が
私の頭におかれて、
「 ”怖かった”って言えよ 」
微かに震える私の体を
引き寄せた。
ソファに座る私を上から
包み込むように抱きしめながら
彼は私の頭を優しく撫でる。
「 俺が、怖いか? 」
言葉とは正反対のことをしながら
そんなことを聞くから、ズルい。
彼の腕の中で何度か首を横に振ると