俺様王子の初恋






「 葵? 」






再度体を離して、先輩を
上から下まで見つめると、
右側の、袖と、色んなところが
赤色に染まっていた。







「 ・・・・これ、何ですか? 」


「 ・・・・ああ・・ 」


「 怪我、してるんですか? 」







シャツを掴んで、先輩を見上げると
先輩が右手を私の目の前に出した。








手の甲に、大きな傷ができていた。
指先もちらほら切れていて、
血が・・・








「 何で、黙ってたんですか!! 」








先輩の手首を掴んで、ベッドから降りると
いつも先生が座っているイスに先輩を
座らせた。









< 311 / 326 >

この作品をシェア

pagetop