俺様王子の初恋












「 何してんの? 」






たった一言。
”一声”。





耳にかかった吐息と
程よい低さの色気を含んだ声に
体が震えた。





耳に感じる熱に、
答えようにも答えられなくて
とにかくぎゅっ、と拳を握って
唇を噛んで耐えた。








「 顔、見せてくんない? 」





耳朶を甘噛みされて
ビクリと肩が上がる。
ガチガチに固まった身体に
ずっしりと重みを感じた。





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