俺様王子の初恋




「 ひゃっ・・・! 」




嫌な予感しかしない。




大きな手で顎を掴まれて
強引に正面へ向かされた。
声が出たのはその後。




伸びてきた手にメガネを
奪われた。




私の上に馬乗りになった彼は
メガネを胸ポケットに入れると
ニッ、と口角を上げた。




「 もしかして伊達? 」




伊達、ではないけど
度は強くないです。




彼の質問に、心の中で答えた。
こんな状況で声なんかが
出るわけがない。





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