C'est la vie!



幽霊になって気付いたこと。


幽霊ってお昼でも、太陽の光が当たっても大丈夫なんだね。


眠くはなるけど、おなかはすかないし、喉が渇くこともない。


体温が無いから、寒くもなければ熱くもない。


物に触れることができるし、足だってあるから普通に歩くこともできるし。


何かあたしが想像してたのと全然違うって言うか…


でもでも、幽霊にしかできないこともあるんだよ?


それは宙に浮くことができます!!


って、幽霊だから浮いたって意味がないよ。


壁を通り抜けることもできるけど、お屋敷の外には出られないし……


「何故屋敷の外に出られないかって?」


書斎に移動したあたしたち三人。


書斎はまるで小さな図書館。洋風の洒落た本棚は天井まで伸びていて、移動式のはしごが掛けられている。


その本棚の中には実にさまざまな本がいっぱい詰まっていた。


英字からはじまってフランス語、ロシア語、中国語なんかで書かれた専門書や、小説。図鑑みたいなものから、画集のあれこれ。


中には漫画なんかもあって、「どこに手に入れたんだろ」と気になったり。


最初は思い思いのことをしてたけど、気になってクロウさんに聞いてみた。


クロウさんは150回以上読んだと言う英字の分厚い小説を開いていた。




「出られない理由は……」



とクロウさんが顔に翳りを浮かべてちょっと俯いた。



何……


何かあたしいけないこと聞いちゃったかな…





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