名前の無い物語
「吉野?」
吉野は声にベットから起き上がった
部屋の入り口には、不思議そうに見上げる帆志
「何してんだよこんな所で。」
「いや、夕陽が見れっかなって。帆志は?」
祐希のベットの真上にある天窓
そこから、綺麗な夕陽が姿を見せていた
「あぁ、あの馬鹿を探しに来たんだ。」
あの馬鹿
おそらく、祐希の事だろう
吉野は苦笑いを浮かべた
「…何かあったのか?」
「えっ?」帆志の言葉に吉野は首を傾げた
帆志は近くの壁にもたれ掛かる
「わかんねぇんだろ?『友達』が。」
「…。」
吉野は一瞬目を伏せた
何故か、心が見透かされてる気がした
「何で分かったんだ?」
「前の俺と同じ瞳してっからな。人目見て分かった。」