名前の無い物語


「心が、繋がった町?」


それが、この町の一番良いところ?



「ホラ、俺達はすぐ喧嘩すっけどさ…大事な所は皆協力するだろ?」


「敵も味方も関係ない。俺たちは…絆で結ばれているって事さ。」 



帆志はフッと笑った
吉野は胸に手をあてる



「…絆で、結ばれている…。」


敵も味方も関係なく
皆が協力できる


繋がった心


「お前にももう分かるだろ?」


挑発的に言った帆志
その言葉に吉野は一度目を閉じた


開いた、その瞳は
迷いのない、強い瞳だった



「…あぁ!」


吉野の返事に祐希達は笑い
柚歌と海も安心したように微笑んだ



分かった気がする
祐希達を見れば…



「友達、か。」


心にのし掛かっていた重荷

どこかスッキリしたような気がした




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