名前の無い物語
巨大な歯車の目の前
柚歌の後ろ姿が目に入った
声に反応して、柚歌も振り返った
「吉野…海…。」
「ったく、探したんだぜ?」
「本当だよ。一体こんな所に何しに…ーー?」
駆け出した足を
二人は同時に止める
柚歌が話していた人物
彼女の後ろにいる…少女の姿は
柚歌と瓜二つだった
「…は?」
「柚歌が…二人?」
海と吉野は二人を見比べた
白いワンピースに、金髪の少女
似てる
違うのは…瞳の色と髪くらいじゃないか?
「…初めまして。」