名前の無い物語
一度消えた本当の吉野
その後に生まれた…無気力な人格
そのまま…今本当の自分を思い出しつつある
「それに、心が壊れる程の辛い出来事を思い出したとき…吉野君は正常でいられるのか。」
寧々音の言葉は確かに正しい
全てを思い出したとき
吉野は…全てを受け入れられるのか?
「…何で、俺にそんな話を?心配なら、吉野に直接言えばいいじゃねぇか。」
「勿論吉野君には伝えるよ。だけど…吉野君がちゃんと受け入れられるように、君には見守っていて欲しいから。」
「…見守る?」海は首を傾げた
「本当の自分を取り戻したとき…吉野君を信じてあげて欲しい。
それが最終的に、君の心の闇を抑える事にも繋がるから。」
「!!」驚きの余り海は一歩退いた
コイツ、今…
「…知ってたのか、俺の心にも闇があるって。」
「知ってるよ、君の中に眠る深い闇。君が運命に選ばれる…ずっと前から。」