名前の無い物語
『本当の自分』
その言葉に吉野は顔をあげた
「お前…知ってるのか?」
吉野の問いに少女はただ不敵に微笑んだ
この事を知ってるって事は…コイツがこの世界の長老会のメンバー?
いや、まだそうとは決まってない
安易な判断で世界の事をばらしたら柚月の世界の校長に殺される
なんか…そんな気がする
「後藤彩夏は君のこと覚えてるに決まってるじゃない。彼女、クラス委員長だよ?
それすらも知らなかった?」
少女の言葉に吉野は何も言えなかった
後藤彩夏って…クラス委員長だったんだ
「他人に興味がない『今の君』と、他人と触れ合っていた『本当の君』…。どっちの君が、このセカイに残るんだろうね?」
「…さっきから何だよ!」
もうダメだ
我慢出来ない
「『本当の俺』とか、他人に興味ないとか…ただのクラスメートのくせに、俺の何を知って…ーーっ!」