名前の無い物語
「終わった…。」
キィンと、剣は光と共に消えていく
やっぱり、二人がいたらデュアンテも余裕で倒せる
二人が…誰かがいるだけで
こんなにも戦力は変わる
だけど、本当の『俺』の存在を二人が知ったら?
吉野は海と柚歌の方を見た
「吉野?」
「どうした?」
不思議そうに首を傾げる海と柚歌
二人がこのことを知ったら
俺の前から…消えてしまうかもしれない
そう考えたら、今までクラスメートに扱われてきたあの日々よりも
そっちの方が…とても心が苦しくて
「俺…二人に迷惑かけてばっかだな。」
混乱してるのは、俺だけじゃない
多分…一番困惑してるのは、二人
そりゃ、俺が勝手に行動してるんだもんな
当たり前だけど…
「今さら何だよ?」
「吉野が、自分の意思で動いていることなら…迷惑なんかじゃないわ。」