名前の無い物語
パンという音と共に
無数の音がデュアンテを包んだ
「柚歌…!」
「吉野早すぎ!置いていかないでよ!」
やっぱり土地勘が無いと動きにくい
吉野を追いかけるのに精一杯だった…
柚歌はハァとため息を吐いた
「柚歌、吉野!」
ちょっと遅れて
海は二人の下に辿り着く
「…ごめん、二人とも。」
とりあえず、また迷惑かけたらしい
吉野は二人に謝った
「いいのよ。それより、今はデュアンテを。」
柚歌の言葉に
三人は構える
柚歌の攻撃が効いたのか、デュアンテの動きは鈍くなっていた
吉野は間合いを詰める
「‘氷雪華’!」
「‘讃美歌’!」
柚歌と海の攻撃が同時にデュアンテに直撃する
その隙を逃さず、吉野は大きく剣を振るった
パァンと音を立ててデュアンテは光となって消えていった