名前の無い物語
「っ…ハァ、ハァ…。」
切れる息
吉野は側にある噴水に腰かけた
自分が居たあの部屋から
只無我夢中にここまで走ってきた
逃げなければ
海達から…離れなければ…
それしか、博士から彼らを護る術が分からない
「っ…どこ行けばいいんだよ。」
苦しそうに絞り出した声
ここがどこかも、どんな世界かも分からないのに
どこに逃げればいいかなんて分かる筈無い
どこに行けば
どこなら…博士から逃げられる?
「どこに行く気だよ、吉野?」