名前の無い物語
中心地から少し離れた、住宅街
その外れに何故か離れて建っている一軒の家
吉野達はその家の前まで走ってきた
「ハァ…ハァ…。いきなりどうしたのよ吉野?」
息を整えながら
柚歌は吉野に聞いた
答えを待つ三人に対して吉野は何も言わずに
息を整えてその家を見上げた
「声が聞こえたんだ。逃げろってさ。」
「声?どこから?」
空の問いに
吉野は真っ直ぐ指を指して
「…この家から。」
その指を辿って
三人の視線は家に向かった
一見、他の家とは何の違いも無さそうだが…
「だからって、罠かもしんねぇだろ?確かにあのままじゃ戦いになってただろうけど、簡単に人をーーーギィィ