名前の無い物語

海の言葉の途中で
閉まっていた家の扉が勝手に開く

勿論そこには、誰も居ない


「…入って来いって事か?」

「上等じゃねぇか。」

海と空の口角が上がる

吉野の話では、声の主はこの家に居る
なら自分達は…その主に呼ばれていると言う事だ

「言っとくけど、無闇に暴力は振るわないでよね二人とも。」

「んな事するか。」

「柚歌、俺達の保護者かよ?」

空の海の言葉に、柚歌は深いため息を吐いて
二人の側を通る


その瞬間

「すぐにでもゴングを鳴らしそうな顔がよく言うわ。」


柚歌はボソリと呟く

それを聞いた瞬間
二人は苦笑いを浮かべた


その様子を、ポカンと吉野は呆然と見ていた

只少し、笑みを浮かべながら…


「何してるの?早く入るわよ。」

「「…ハイ。」」

余り柚歌に逆らわないでおこうと
海と空は改めて心に決めた







< 472 / 595 >

この作品をシェア

pagetop