名前の無い物語
海の言葉の途中で
閉まっていた家の扉が勝手に開く
勿論そこには、誰も居ない
「…入って来いって事か?」
「上等じゃねぇか。」
海と空の口角が上がる
吉野の話では、声の主はこの家に居る
なら自分達は…その主に呼ばれていると言う事だ
「言っとくけど、無闇に暴力は振るわないでよね二人とも。」
「んな事するか。」
「柚歌、俺達の保護者かよ?」
空の海の言葉に、柚歌は深いため息を吐いて
二人の側を通る
その瞬間
「すぐにでもゴングを鳴らしそうな顔がよく言うわ。」
柚歌はボソリと呟く
それを聞いた瞬間
二人は苦笑いを浮かべた
その様子を、ポカンと吉野は呆然と見ていた
只少し、笑みを浮かべながら…
「何してるの?早く入るわよ。」
「「…ハイ。」」
余り柚歌に逆らわないでおこうと
海と空は改めて心に決めた