名前の無い物語

優しく微笑む箙夫妻に
空は一歩前へ踏み出した

「無茶だ!管理会って事は、相当の腕がある奴等なんだろ?
ここに匿ってもらったのに…そこまであんた等に迷惑はかけられない。」

「ここまでする意味が、貴方方にはあるのです。」

「!」箙の返答に
吉野達は言葉を詰まらせた

「貴方方は…貴方は、ようやく見つけた、亜未に繋がる希望なんです。管理会になんて渡してたまるものですか。」

「箙さん…。」海は拳を握りしめた
助けなければならないのに
箙の言葉は、正論のような気がして…


「けど、私達を匿ったことがバレたって事は、箙さん達の立場も危ういんじゃ…。」

「我々なら大丈夫です。元々、天使は争いを好まない種族ですから。」

ニコリ、と笑みを浮かべる箙
その表情に、柚歌は罪悪感で顔を歪ませた


そうしてる間にも
魔方陣は輝きを増す

「箙さんっ!」

咄嗟に手を伸ばした海
その行動に、箙は「ありがとう。」と告げて

「亜未を…よろしくお願いします。」

その言葉を聞いた瞬間
視界は光に包まれた







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