名前の無い物語







「もう動いて大丈夫なのですか?」

建物の前の広場に座っている海は、声に後ろを振り返った
歩いてきているのは、木梨華に似た少女…七菜

「もう平気。ただの貧血だし。」

「…そうですか。それは良かったです。」

見覚えのある笑顔を向けて
「隣よろしいですか?」と七菜は海の隣に腰かけた

「にしても驚いたよ。ガーディアンなんて初めて見たしさ。」

「この子達は見た目は怖そうに見えますが、本当は心の優しい子達ばかりですよ。」

「…心?」海は首を傾げた

ガーディアンは古代兵器だ
そんな彼らに…心?


「確かにガーディアンはロボットです。ですが、彼らには考える力も思いやる力もある。

感情は無くても…心は、そういった思いやりから感じとるものではないでしょうか?」

そう言った七菜の表情は
いつも屋上で話す華の顔とソックリで
グッと海は拳を握りしめた


「…心は、感じるもの…か。」

誰かを思いやるその気持ちが
きっとその瞬間…『心』が生まれるんだ


「最初、ガーディアンの町って聞いて驚いたけど…そう考えれば、ここだって地上と変わらないんだな。」






< 503 / 595 >

この作品をシェア

pagetop