名前の無い物語
「もう動いて大丈夫なのですか?」
建物の前の広場に座っている海は、声に後ろを振り返った
歩いてきているのは、木梨華に似た少女…七菜
「もう平気。ただの貧血だし。」
「…そうですか。それは良かったです。」
見覚えのある笑顔を向けて
「隣よろしいですか?」と七菜は海の隣に腰かけた
「にしても驚いたよ。ガーディアンなんて初めて見たしさ。」
「この子達は見た目は怖そうに見えますが、本当は心の優しい子達ばかりですよ。」
「…心?」海は首を傾げた
ガーディアンは古代兵器だ
そんな彼らに…心?
「確かにガーディアンはロボットです。ですが、彼らには考える力も思いやる力もある。
感情は無くても…心は、そういった思いやりから感じとるものではないでしょうか?」
そう言った七菜の表情は
いつも屋上で話す華の顔とソックリで
グッと海は拳を握りしめた
「…心は、感じるもの…か。」
誰かを思いやるその気持ちが
きっとその瞬間…『心』が生まれるんだ
「最初、ガーディアンの町って聞いて驚いたけど…そう考えれば、ここだって地上と変わらないんだな。」