名前の無い物語
「は…?」
生徒会室の前
全員揃った中で、棗の間抜けな声が響いた
「桜今、何て?」
「それが…さっきから柚月の姿が見えなくて…。」
聞き返しても意味無かった
信じたくないような言葉が桜から出た事を
言い直して欲しかったのに…
「柚月が居ないって事は…。」
「…。」拓也の言葉に棗の顔は歪んでいく
柚月が居ない
それだけで嫌な予感Maxだ
「そういえば、吉野の姿も無いわ。」
「確かに。お前ら知らないか?」
柚歌と海の問いにその場の空気は一気に凍りつく
全員の頭に浮かんでいるのは、嫌な予感ばかりだ
「あれ?お前ら…。」