毒舌彼氏と恋愛中
裏返しの自分
*真一side*
放課後。
俺は言われたととうりわたり廊下へやって来た。
「あ、片瀬くんやっときた。」
「何の用?高橋さん。」
俺はあくまでにこやかに答える。
「芽衣のこと。芽衣チャン大好きなあんたに助言。」
ニタリとした笑い。
やっぱ俺は彼女が苦手らしい。
彼女には俺の毒舌も効かない。
心を読まれてしまっているような心地になるのだ。
「あんた芽衣の不安知ってる?」
不安ーー?
「何が言いたいの?」
芽衣になにかあるならもったいぶらないで教えてほしい。
「あの子はね、あんたが自分のこと本当に好きなのかたまにわかんなくなって不安になるんだって。
あんたがSなのも毒舌なのも知ってるけど、それでもやっぱり自分の片思いなんじゃないのかって思っちゃうんだって。」
片思いーーー?
そんなわけがない。
こっちが好きすぎてどうにかなりそうなくらいだ。
俺がしばらく黙っていると、
「あたしはあんたが芽衣を死ぬほど好きな事くらい言われなくてもわかってるし。
でも芽衣はばかみたいに純粋で鈍感な子なのよ。わかるでしょ?
女の子はね口でちゃんと言ってほしいことや、言われなかったらわかんないことだってあるの!!」