光
俺の制服注文も終え、紫苑は私服を着直していた。
紫苑が私服に着替えてるとき、腕の傷が気になった。
昔の傷なら消えてるはずなのに、今になっても残ってる傷。
しかも、新しいカンジ…。
赤く腫れてて、その傷は見た限り、4個ぐらいあった。
何をしてんだろうか、すごく気になった。
「紫苑さ、最近…なんかあった?」
「あったとしても関係ない」
「また、関係ないか…」
俺はクラスでの様子を思い返したりしたけど、全然わかんなかった。
女子との喧嘩もなかった気もするし…。
でも、本当は問題があった。
俺はそのことに気づかなかっただけ。
紫苑がまだ過去のことを、捨てきれてなかったことに。