あたししかいない寂しい病室。
あのお騒がせ集団とは数時間前に別れ、わたしは病室に帰ってきた。
9時15分。外はもう暗い。
ビルの灯りだけがまだ灯ってるのがわかるだけ。
静かな部屋には、点滴が落ちる音とベットがギシギシとなる音が響く。
…わたしね、夢見てることがあるんだ。
病気を治して、律と結婚したいの。
幸せな家庭を築きたい。
律とわたしの子供もほしい。
目はわたしに似てて、鼻筋は律似。
性格は……わたしの方がいいなぁ。
律って何気、性格悪いしさ。
男の子でも女の子でもいい。
だけどやっぱり、女の子がいいな〜。
女の子だったら、スポーツマンにしたい!
わたしがあんまりスポーツ出来ないからね。
フフ…なんかわたし、親バカになりそう。
現実はどうなるかわからない。
まだわからないもの。
治っちゃうかもしれないし?
でも治んないかもしれない。
でもでも、ウェディングドレス来て結婚式したいし…。
叶えたい。
律と幸せになりたいなぁ。
夢、わたしの夢、叶うと…いいのに。
叶えたいと思う自分と叶ったらいいなと思う半々の自分がいるの。
律に言ったら、あの子なら叶えるんだよ!とか言いそうだけどね、フフフ。
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