暗闇のアリス first story[完結]
藍side
男は一台の黒塗りの車の前でとまった
そして後部座席をあける
「どうぞ、乗ってください」
私は何も言わずに後部座席に乗り込む
男はドアをしめると運転席につき、ふと後ろを覗いてきた
そして、一つのアイマスクを差し出してきた
「つくまでこれを……」
はぁ、
ここまで面倒だとは思いもしなかったな。
「ご協力ありがとうございます。では、出発させていただきます」
私はただ真っ暗な視界の中でゆらゆら揺れる