絶対、逃がさない!②(短編)
「なぁ、いいだろ、海老原ぁ」



 170センチを超える長身の身体で、くねくね腰を振りながら、両手を合わせてお願いされても・・・正直、気持ちわるい。

 おまえだって、だまっていれば見た目悪くないんだから、彼女くらい自分でゲットしろ。

 おれは、自分のことで精一杯だ。



「おまえなぁ、この学校は女だらけなんだから、男のほうが少ない。

 おまえだって、数うてばあたるかもしれない。

 がんばれ、佐藤!」

「うん、がんばる!

 じゃなくて・・・」

「そこの二人、いつまでも話していると、着替える時間なくなるよ。

 男子更衣室に移動しなくちゃならないだろ?」



 おれたちの会話を強引に打ち切りにはいってきたのは、長岡和也(ナガオカ カズヤ)だ。

 おれの中の、要注意人物リスト№1だ。 

 
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