亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
「………さっさと逝け…」
ベルトークは剣を構えた。
「………貴様の妻……エルシア姫の所に逝くがいい……」
『―――オーウェン…』
『私、貴方が好きよ。とっても…』
―――エルシア…。
オーウェンは剣先をベルトークに向けた。
この男は………笑っている。
「―――ちょ―っと違うぜお兄さん………エルシアは俺の妻じゃなかったぜ?」
言い知れぬ激しい覇気が、辺りを包んだ。
「………まだ妻になる前だった。………あんたに殺されなきゃ…俺の花嫁だったよ…」