亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
「―――ふーん……最近偵察がやけに多いと思ってたけどよ…とうとう襲撃…か…。………しかも、第4部隊もねぇ」

「―――ああ…待ちに待った出動命令だ………」

ぱっとこちらを見たトウェインの瞳は、実に輝いていた。
………そんなに嬉しいのか。

「……早く部下に伝えてこいよ。イブとかは特に喜ぶぜ。あいつもぶーぶー言ってたからな」

じゃあお先に―、とジスカはその場で“闇溶け”をして去った。
トウェインもすぐに部屋を出た。


アレスの使者は、一つの部隊につき約20から30人の兵士で構成されている。以前は第6部隊まであったのだが、第5部隊と第6部隊の隊長が戦死したため、二つの部隊の兵士は他の部隊に入れられた。

多いところで50人の兵士を率いる部隊もあるが………。

―――トウェイン率いる第4部隊は、隊長のトウェインを入れて、僅か四人だ。

これはトウェインが隊長に昇格した時から変わらない人数だった。
………変わり者の集まり、と他部隊の兵士は馬鹿にしている。
厄介な連中を固めた、形ばかりの部隊であると、差別していた。

―――…事実………ちょっと変わっている。
否定する気にもなれないので、トウェインは無視しているが…。
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