亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
「何をおっしゃいますか。……こんな大事な日なのです。警備はいつもより、万全ですよ。丘の下はかの強者揃いの国家騎士団が配置しているのです。影など入る隙も御座いません」
家来が笑いながら答える中、オーウェンはただじっと窓の外を凝視していた。
「………ならなんで…」
「はい?」
「―――こんなに真っ暗なんだ」
「エルシアお姉様、そろそろ広間へ行きましょう。下を見てきましたが、皆様もう広間に集まっていらっしゃったわ」