亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
(………平手打ち………結構痛かったなぁ……)
あの痛みがあったから、マリアは覚醒出来たのだ。
もしあの時ベルトークが止めてくれなかったら………完全に意識が無くなって、パラサイトは成樹していたかもしれない。
―――また…助けられてしまった。
………自分の暴走を、自分で止められないなんて……。
(………限界……なのね…)
自分の細い両手をじっと見つめた。
この身体も、いずれは………影も形も無くなってしまう。
ならば人間の形である今だけでも、人間らしく。
………生きれたら。
「―――胴体の方はどうだ?」
マリアははっと我に帰った。
正面でしゃがんでいるベルトークが、いつもの鋭い目でマリアを見上げている。
「…………胴体…ですか?………特には…」
呟きながら腹部にそっと触れた時………マリアは一瞬だけ、手を止めた。
「―――どうした…」
マリアは背中や脇腹を擦り………すぐにパッと顔を上げた。
「大丈夫です。なんともない様です」
柔らかい笑みを浮かべ、マリアは首を横に振った。
ベルトークはそんなマリアを探る様に見ていたが、ふっと視線を外した。