亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
―――ゴーガン。お前は頭は良いが、感情的になると周りが見えなくなる様だな。宝の持ち腐れだぞ。
―――魔の者を殺す時は目を見てはならん。躊躇せずに、切り込む事だ。
―――リンクスは悪気は無いのだよ。ただあれは、ああいう男なのだ。
―――私は…良い部下に恵まれている。
尊敬していた。
総隊長という人間に、自分は惚れていたのだ。
だから、総隊長が突然反逆の意志を告白した時も、自分はすぐに了承した。
あの方のなさることに、間違いなど無いのだから。
先生。
先生。
俺は。
俺は先生のお役に…。
純白の光を放つ孤城。
夜明け前の静かな闇夜に、けたたましい法螺貝の音が鳴り響いた。
「―――沈黙の森付近から、何かがこちらに近付いて来ています!」
「影か?何なんだ!」
塔の天辺から、リストは真っ暗な風景を眺めた。
カッ…と瞳を白く濁らせ、全てを見通す目で、侵入者を探した。
……………?
リストは眉をひそめた。