遠距離恋愛
「はい…はい…わかりました。大丈夫です、失礼します。」


あたしは受話器をおいた。

「どうだった?」

ユカは顔をしかめて、あたしを伺う。


「やっぱりヘルプ無理だってー。二人でなんとかしろだとよ!」

あたしは呆れた顔をしてみせた。

普通、こんな緊急事態なら本社からヘルプが来ても良いのに…

つくづく地方店舗に適当な本社だ。

数字だけとれば良い。

あたし達は、店の上で売上を支える駒だ。


良い商品は全て本店にまわし、地方は品質の悪い物がくる。

それで「売上とれ」なんてよく言うな。

あたしは、本社に嫌気がさしていた。

それもあって、「チェルシーで一生続ける気は無い」と考えていたのだ。



ま、今回助けてもらえなくても"当たり前"なので、あたし達は二人で回す覚悟を決めた。


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