好きになってごめん
………このときは、この胸の苦しさがなんなのか、全く気付いていなかった。


春。


桜が舞う、暖かい季節。


あたしとアイツは高校生になった。


きっと楽しい青春が待ってるんだろう、そう思っていたあたし。


………でも。


それは違った。
15年間アイツを想っていたあたしの、切ない恋の始まりだった。


ねぇ、神様。


本当にあなたはいるのでしょうか?


ならば、あたしを幸せにしてください。


苦しめないてください。


あの子のことで笑っているアイツを、これ以上見るのは辛いよ。


だから、神様。


お願いです。
あたしを幸せにしてください。


他のものなんて、なにもいらないから。
アイツだけいればいいから。


………春。


切なくて苦しくて辛い恋の始まり。










< 22 / 117 >

この作品をシェア

pagetop