好きになってごめん
「あ〜っと……アイツに聞いてくれる?衣装関係はアイツに任せてるから」


あたしは彼女にそう言う。


別に分担を決めていた訳ではないけど。


きっとあの子が行けば、アイツは喜ぶんじゃないかな?って思った。


「え……でも、彼忙しそうだよ」


確かにアイツはいろんなやつに話しかけられて大変そう。


「でも、あたし衣装のことわかんなくて……。ごめんね」


「あ、ううん。彼に聞いてみるね」


ニコッと微笑むと、あの子はアイツの元に向かった。


……これでよかったよね?


少し胸が痛むけど、アイツのことを思っての行動だし。


アイツの方をチラッと見ると、あの子に話しかけられて嬉しそうなアイツの顔があった。










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