好きになってごめん
………チクン。


ちくちくと痛む胸。


………こんなこと、するんじゃなかった。


そう思うあたしは、悪い子ですか?


でも、あの子の前であんなに笑顔なアイツを見たくないの。


あの子をアイツの元に行かせたのはあたしなのにね。


「………馬鹿じゃないの?」


そんな声が聞こえて、あたしは後ろを見る。


後ろには友達が立ってた。


あれから仲直りはしたけど、彼女の前では中々素直になれない。


「………なんだ。なにが馬鹿なの?」


「なんであの子を、彼の元に行かせたわけ?」


「そんなのあたしの勝手じゃん。駄目?」


「別に駄目じゃないけど………」


言葉に詰まる彼女。


人にとやかく言われるのは嫌。


人に指図なんかされたくない。
特に、アイツ関係のことで。










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