【短編集】君に届いてほしいから─冬─
たぶん彼女ともっと話したかったから、とかそんな可愛らしい理由じゃなくて。
「……ココアって本名なの?」
もしかして…って何か期待してたわけでもなくて。
「……え?あ、はい!心と愛でココアです!」
ただ彼女の少し低めのかすれた声をちゃんと聞きたかったって興味なのか。
「ほんとにココアだったんだ…」
「え?」
あるいは2日後に控えたバレンタインなんてものが少しでも俺を浮つかせたのか。