君とこんぺいとう
思いがけない告白
私と隼人が別れたらしいという噂は
あっという間に広まった。

当の本人たちは一切のノーコメントだったにも関わらず
そういうことはなぜか気付かれてしまうらしい。

隼人の周りはまた女子の出没率が増え
用もないのにやってくる女子社員をよく目にするようになった。

そして、私は前のように仕事の鬼に戻りつつあった。

心配して週末家に押し掛けてきた加奈子は
私が本当のことを話すまで断固として引かなかった。

観念して本当のことを話した私は
加奈子に散々怒られた。

「ちょっと!萌、バカじゃないの?!
なんでそんなに好きなのに別れるのよっ」

加奈子はクッションで私をたたいた。

「痛いってば…」

私は力なく言った。

「茜って子なんてほっとけばいいでしょ。
あんたが犠牲になることないじゃない。
里中だって萌のことしか見てないのにっ」

加奈子の言葉に私はうつむいた。

「だって茜さんには隼人しかいないんだよ?」

「あんたにも里中しかいないでしょうがっ」

加奈子に叱られて、私は肩を落とした。

「でも…」

ぼろぼろ泣きだした私を呆れたように見ていた加奈子は
最後には私を抱きしめた。

「本当にバカだよ、萌は」

加奈子はその日、朝まで私に付き合ってくれた。


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