君とこんぺいとう
タクシーで家まで帰ると、ドッと疲れが出た。

「私、最悪だ…。
里中は何も悪くないのに」

明日どんな顔して会えばいいんだろう…。

動揺する一方で、これでいいんだという気もする。

高校の時の私とは違う。私は変わったんだ。

「仕事の鬼」と影で言われるほど会社では仕事だけ。
付き合いづらいと思われてるのも分かってる。
私が会社でどんな人間か、いずれ里中の耳にも入るのだから
かえってこれでよかったんだ。

友達を作りに会社にいるわけじゃない。
だから、今のままでいい。

私は呪文のようにそう自分に言い聞かせる。

自分を守るために築いたバリケードの隙間から
入り込んできそうな里中の存在が怖かった。

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