君とこんぺいとう
「土曜日、病院に来てたんだな?」
「うん…」
「そうか…」
隼人は溜息をついた。
「ごめん、俺、茜とキスした」
自分で見たとは言え、隼人の口から直接聞くのは
とてもショックだった。
「…どうして…?」
私はずっと胸にくすぶっていた疑問をぶつけた。
「茜に言われたんだ。
小さいころからずっと好きだったって」
隼人の声はどこまでも静かだった。
「ドナーが現れなければ自分は死ぬかもしれない。
死なないとしても、一生病気を抱えたままで
もう普通の生活はできない。
だから、せめて俺にそばにいてほしい。そう言われた」
私は何も言えずに、膝の上で両手を握りしめた。
「でも俺は茜の気持ちには応えられないって言ったんだ。
ずっと妹みたいに思ってきたし
これからもそうとしか考えられないから」
茜さんはその時どう思っただろう?
病気と闘っている彼女には
本当に隼人だけが支えなのに。
隼人だって彼女の気持ちに答えられないのは
つらかっただろう。
病気で苦しむ茜さんを一番近くで見ているから。
彼女の望む恋人にはなれなくても
できるなら支えてあげたいと思っているはず。
(私がいなければいいんだ…)
私は、ふとそう思った。
「うん…」
「そうか…」
隼人は溜息をついた。
「ごめん、俺、茜とキスした」
自分で見たとは言え、隼人の口から直接聞くのは
とてもショックだった。
「…どうして…?」
私はずっと胸にくすぶっていた疑問をぶつけた。
「茜に言われたんだ。
小さいころからずっと好きだったって」
隼人の声はどこまでも静かだった。
「ドナーが現れなければ自分は死ぬかもしれない。
死なないとしても、一生病気を抱えたままで
もう普通の生活はできない。
だから、せめて俺にそばにいてほしい。そう言われた」
私は何も言えずに、膝の上で両手を握りしめた。
「でも俺は茜の気持ちには応えられないって言ったんだ。
ずっと妹みたいに思ってきたし
これからもそうとしか考えられないから」
茜さんはその時どう思っただろう?
病気と闘っている彼女には
本当に隼人だけが支えなのに。
隼人だって彼女の気持ちに答えられないのは
つらかっただろう。
病気で苦しむ茜さんを一番近くで見ているから。
彼女の望む恋人にはなれなくても
できるなら支えてあげたいと思っているはず。
(私がいなければいいんだ…)
私は、ふとそう思った。