君とこんぺいとう
次の日の朝、鏡で自分の顔を見て
余計に憂鬱になった。

(こんな顔じゃ会社にいけない…)

どうしても今日だけは会社に行きたくなくて
私は初めて仮病を使って会社を休んだ。

会社に連絡すると田代くんが出た。

『おー、小川。どうした?』

「…あの、今日体調悪くて会社休むから。
課長に伝えておいてもらえるかな…?」

『ああ、分かった。大丈夫か?』

「うん…。ありがとう。それじゃ」

私は手短に言って電話を切ると、そのままベッドにもぐりこむ。

昨日から一睡もしていないせいか
いつの間にか寝てしまい、起きたのは夕方だった。

「ずいぶん寝ちゃったな…」

そう思って起き上がると
携帯のランプが点滅しているのが目に入った。

加奈子と田代くんからのメールだった。

『萌、大丈夫?風邪だって?
無理しちゃダメだよ~ by加奈子』

私はすぐに「大丈夫」と加奈子に返事をした。

『大丈夫か?もしかして里中と何かあったのか?
今日のあいつ、様子が変だったぞ』

田代くんからのメールを見て、手が止まった。

「里中」の文字を見ただけで泣きそうになる。

私は大きく溜息をつくと
田代くんへの返事を書けないまま携帯を閉じた。


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