雨とバンビ。




公園の前を通り過ぎようとしながらベンチを見る。



「……!」



私の微かな希望は現実になる。



傘を半ば投げ捨て、ベンチまで走る。



「…バンビ、っ!」



愛しいバンビの姿が、そこにはあった。



「あ、うさちゃん」



音符マークが付くぐらいの明るい声で、何事も無かったかのように笑った。



「私っ、この前はごめん。その…しつこくて」



すると、くすっと笑ってバンビは言った。




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