極上お姫様生活―2―【完】


先生たちは一体何しにきたのか……。いや、この状況を楽しんで荒らしにきただけな気がする。



と、思っていたんだけど。






「て事で、そこのちょっと大人になりましたみたいな面してる三人、今からちょっと仕事すっから手伝え」



「は!?」

先生がガシッと橘君と遥登君の肩を掴み、お前も、と櫻田君を顎で促す。




「手伝いって何だよ!この状況でまじ有り得ねぇぞ!」


「うるせぇ、早く来い」




問答無用といった感じで、あっさりにみんなを連れて行ってしまう。










「ちょっとみんな……っ」




「……もしかして、気遣ってくれたんか?」


斎がその場に残った翼に問いかける。んー?と軽い返事をしてから、クルッとあたしたちに向き直った。




「まぁ気にしなくていいんじゃない?」



「気にしなくていいって……」




「そんな事より、」


納得のいかないあたしを無理矢理宥めるように抱き締める。



「蒼空、おめでとう。……幸せになりなさいよ」


「翼……」




柔らかい体温に触れて、あたしはありがとう、と呟きながらぎゅっと抱きしめ返した。




< 200 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop