極上お姫様生活―2―【完】
「どこで?」
「あたしの部屋です。…で、でも、これは女同士の話というか…その、っ」
蒼空は俺がその話を聞くつもりでいると思っているらしい。……心外だ。
「安心しろよ、蒼空と若宮先生の話を聞く気はねぇから」
そう言って苦笑すれば、蒼空も安堵の笑みを漏らす。
「俺はちょっと松神先生と話してくっから」
「え、松神先生とですか?」
お互いから事情聞かねぇと解決にならないような気がするしな。
「あぁ、だから蒼空は若宮先生を頼むぞ」
ポンと蒼空の頭に手を置いて、視線を合わせる。
「あの二人のために、一肌脱いでやろうぜ」
「っ、はい…!」
胸の前で拳を握り、大きく頷く。その仕草は小動物みたいに可愛くて。
「……問題が解決したら、俺らも話をしような」
改めて失いたくないと思った。蒼空だけは、手放したくない。
「好きだよ」
「…っ」
きっと蒼空は、分かってくれる。